手紙届いた? 「手紙届いた?」 「ああ、仕事忙しそうだな」 「そうなのよ。もう読んだの?」 「さっき読んだ」 「そっちは忙しい?」 「土曜の夜も家にいるぐらいだからね」 「今何してたの?」 「ああ、夕美には言ってなかったけど、俺、会社以外でも仕事をしてるんだよ」 「何やってるの?アルバイトか何か?」 「ま、そんなところ」所詮引っかけた女だ。あれこれ詳しい話をするのはやめておこう。 「そう、がんばってね」 「ありがとう」 「ところでさぁ、昨日はたいへんだったの」 「どうした?」 「会社の人たちとディスコに行ったのよ。女の子三人、男の人四人で行って、女の子はベストメンバー´´´´´´´なんだけどね」 「なるほど」 「男の人が・・・・・。まずひとりはイラン人で、もうひとりはフィリピン人」 「会社の中にそんなに外国人がいるのか?」 「外資系の会社だから」 「そう言えばそんなこと言ってたな」 「それで、そのふたりはいいんだけど、あとのふたりの日本人が問題で、ふたりとも田舎の国立大出身で全然遊び慣れてない人たちなの。だから、ディスコなのに食べ物をたくさんオーダーしちゃうし、踊りながらやたらと他の人にぶつかるし・・・・・・。もう他人のふりをしたかった」 「いるね、そういう奴」 「でしょ。それで、そこを出てからは女の子三人で別の店に飲みに行って、カクテルを一杯ずつ、アッという間に飲んでから帰ったのよ」 「今日電話したのはね、ゆうべあなたが夢に出てきたからなのよ」 「どんな夢だった?」 「ふたりでディスコに行った夢。ライブはボビー・ブラウンだったの」 「へぇ」 「それで、すっごく楽しかったんだけど、明け方近くに見たんで、ついつい寝坊しちゃった」 「はは・・・・・・。でも俺は女とはディスコには行かない性質たちだけどね」 「そう」 「でも、コンサートとかなら行きたいな」 このページのコンテンツを表示するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 Tweet