手紙 数日後、夕美からある手紙が届いた。これまでも彼女からは何通か手紙が届いていたがそれらはとりとめのない内容のものだった。しかし、今回のものは特に長く、便箋で五枚にも渡っていた。僕はこの手紙に強い共感を覚えた。そして、彼女とより深い部分でつき合って行こうと決心した。 お元気ですか? 今ラジオを聞きながらこの手紙を書いています。ラジオから流れているのはスティーリー・ダン。でも、本当は彼らの曲は海で聴きたいなっていう気がします。クーラーボックスに氷とビールをたくさん入れて、海を見ながらウォークマンで『バビロン・シスターズ』なんて聴いたら最高です。 ところで、いつかこちらに来たら一日だけ(半日でもいいかな)私の好きな海につき合ってね。そこはチャラチャラした海とは違っていて、何時間いても飽きないところです。そこの海から見える夕焼けは、見ていると何だか心が洗われるような気がします。早起きして行って、そこからの夜明けを見たことも何度もあります。夏はウィンドの人たちや地方ナンバーの車がいたりして落ち着かないけれど、シーズンオフの平日なんかは本当に素敵です。 このページのコンテンツを表示するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 Tweet